ご挨拶

お客様に寄り添い育んだ技術で地域に貢献

明治以降、北海道、特に夕張を中心とする空知地方には多くの炭鉱があり、戦後の高度経済成長期をエネルギー面で支えてきました。株式会社北海道ゴム工業所は、北海道の炭鉱に、石炭の運搬手段であるコンベヤベルトや、その周辺のゴム資材を供給することを目的に、昭和33年(1958年)、北海道岩見沢市にて創業し、昭和51年夕張郡由仁町に移転し、現在に至ります。

弊社は炭鉱に育てられたと言っても過言ではありません。ゴム材料の耐摩耗、耐熱、耐油、耐候性といった耐久性能、金属や樹脂などほかの材料との積層や接着などのノウハウは、過酷な環境下において稼働するコンベヤベルトなど、炭鉱で使用していただいたお客様に寄り添うことで育まれたものです。

高度経済成長期後半には、国のエネルギー政策が石炭から石油へと転換し、北海道の炭鉱も閉山を余儀なくされました。それに伴い、炭鉱に関連する様々な企業が移転や廃業により、この地域から姿を消して行きました。炭鉱以外でも北海道の様々な産業と関わりを持つ中で、目の前の課題に果敢に挑戦し続けてまいりました。我々を取り巻く環境は、これまで以上の速さと大きさで変化し続けることでしょう。

変化するマーケットのニーズにお応えし、皆様から必要とされる企業であり続けるために、弊社もまた変化し続けなければならないと思っています。帆布入りコンベヤベルトの製造技術を応用しながら各ユーザー様の要望に応えるべく、多くの技術蓄積を行い、金型使用ゴム部品、融雪ゴムマット、ゴムライニング、ウレタン加工など多岐に亘る製品開発を行ってまいりました。炭鉱が無くなった今でもこうして経営が存続出来ているのは、変化するニーズに対応しようともがいてきた証であり、今後もその挑戦を続けていくことが、これまで我々を育ててきてくださったお客様の期待にお応えすることだと思います。

北海道という積雪寒冷地の環境はゴム製品を製造するには、必ずしも適しているとは言えません。しかし、逆にこの寒冷地という環境を活かし、寒冷地向け製品を開発できたことは、この立地を強みに転じることができたからこそだと思います。

今後も、開発型製造業としてゴム材料技術を通じ、産業分野・生活分野に利便性、快適性を提供する企業として邁進してまいります。

代表取締役社長 山宮志浩